ギフトカード、クーポン、ロイヤリティプログラムは、顧客のお金の価値を最大限に引き出す手段として、小売業やホスピタリティ業界で非常に人気があります。しかし、これらのシステムの構築は、思っているほど簡単ではありません。そこで登場するのが、カナダ・トロントに拠点を置くギブエックス のような企業です。ギブエックスは、このプロセス全体を最初から最後までサポートしています。
ギブエックス は、現最高経営責任者のドン・グレイさんと、その妻であり現副社長のデブラさんによって、1999年に設立されました。当初のサービスは、企業がデジタルクーポンを管理するための支援を行うものでした。彼らは、顧客とのエンゲージメントを高めることを目指し、企業が自社で同じことを実現できるプラットフォームを提供しようと取り組んできました。現在では、ギブエックスの中核事業はギフトカード処理であり、カード番号の生成、ギフトカードの印刷、顧客への配布といった、その過程におけるあらゆるステップを含んでいます。同社はまた、独自のPOSシステムも保有しており、顧客は希望すればこれを導入することができます。ギブエックスの強みは、顧客のニーズの拡大に応じてサービスを追加できるモジュール式のシステムを備えており、ソフトウェア業界におけるオーダーメイド型ソリューションであることです。

最高経営責任者 ドン・グレイさん
自社も包括的なソフトウェアソリューションであるギブエックスは、ERP(基幹業務システム)を活用すれば、自社のバックエンド業務に対して非常に大きな利益をもたらすことを認識していました。会社の成長に伴い、より多くのサポートが必要となりOdooを導入することを決断しました。
Odoo導入前の課題 : 柔軟性の欠如と運営コスト
Odooを導入する以前、ギブエックスは企業としての成長の過程で、QuickBooksとNetSuitの両方を使用していました。しかし、カスタマイズしやすさやコスト面において、どちらのシステムも物足りなさを感じていました。企業統合部門のシニア・バイス・プレジデントであるフアン・トバールさんは、ギブエックスが必要としていた要件に対して、よりコスト効率の良いソリューションがあるはずだと確信していたと語ります。
代替ソリューションを検討する中で、フアンさんは、Odooのオープンソースという特性がギブエックスにとって非常に魅力的だったと述べています。というのも、同社では高度なカスタマイズが必要になることを予想していたからです。高い柔軟性を考慮すると、Odooの価格設定は、他の大手競合製品と比べてはるかに手頃であり、ギブエックスにとって大きな魅力でした。
そして2020年、ギブエックスはOdooの本格的な導入に踏み切りました。フアンさんは、「新しいソフトウェアの導入はどんな場合でも困難を伴うものですが、Odooへの切り替えは成功だったと言えます」と述べています。もちろん課題もあったものの、全体として導入プロセスは非常にうまく進みました。その理由についてフアンさんは、Odooのユーザーインターフェースが分かりやすく、使いやすい設計になっていることを挙げています。それにより、従業員がスムーズにソフトウェアを受入れ、社内で広く定着する結果につながったからです。さらにギブエックスは、Odooの各アプリケーションを段階的に導入するという戦略を意図的にとり、会社と従業員が変化に対して適応するために十分な時間を確保することができたのです。
Odooでワークフローカスタマイズ: 業務拡大

Odoo導入から4年が経過した今、ギブエックスはOdooの高度なカスタマイズ性と包括的なシステムであることが非常に有益であることを実感しています。特に、企業統合部門のシニア・バイス・プレジデントであるフアンさんは、Odooのレポート機能が自身の任務に大きな影響を与えていると語っています。フアンさんは全社のオペレーションを統括しているため、Odooのレポート機能を活用することで、会計や営業の動向を把握し、的確な判断につなげているのです。
数あるOdooのモジュールの中でも、スタジオはフアンさんにとって特にインパクトのある機能です。スタジオアプリケーションが非常に簡単に活用できるため、ギブエックス特有のニーズに合わせてソフトウェアをカスタマイズする際の人件費や手間を大幅に削減するのに役立っているからです。
「スタジオアプリは特に優れています。たとえば、特定のフィールドを追加したいといった、比較的シンプルな変更であれば、開発者がバックエンドのコードを触ることなく変更できます。オペレーションを統括する者にとっては、そこが最も大きなメリットであると思います」
Odooの柔軟な統合性と高い機能性により、ギブエックスチームの日々の業務の進め方は大きく変わりました。フアンさんは、Odooが各部門の業務をつなぎ、ユーザーがデータベースを使う際には直感的なプロセスで導いてくれるため、業務のスピードが格段に向上したと説明しています。
「Odooのワークフロー設計とその見せ方は非常によくできていて、誰にとっても直感的で使いやすく、デザインも洗練されています」