会社名: オルネックス(allnex) |

会社概要
allnex (オルネックス)は、産業用・建築用・自動車用・特殊用途のコーティング剤やインクを製造するグローバル企業です。同社はまた、スペシャリティケミカル(機能性化学品)のパイオニアとしても知られており、木材・金属・プラスチックなど様々な素材に使用できる革新的な樹脂製品を幅広く提供しています。簡単に言えば、オルネックスの製品は日常のあらゆる場所で使用されています。たとえば、自動車、床材、デッキ、缶詰、建物、橋梁、航空機などです。
オルネックスグループは、33の製造拠点、23の研究開発および技術支援センター、そして5つの合弁企業を世界中に展開しており、100か国以上の建設・複合材料・製造市場に製品を供給する主要サプライヤーの一社です。
革新的なソリューションを求めて
オルネックスには、オーストラリアとニュージーランドに展開する10の販売店舗で様々な製品を販売する、ユニークなB2C事業部門があります。 この部門はかつて、Microsoft Dynamics AX(2009年版)というERPソフトで運営されていました。しかし顧客のニーズが進化する中で、Microsoftのシステムはもはやオルネックスの小売事業部門の要件を満たすことができなくなったのです。
そこでオルネックスの経営陣は、ERPをSAPに切り替えることを決定しました。しかし、それによってさらなる課題が浮き彫りになりました。SAPのグローバルインターフェースは、地域特有の製品や業務要件に合わせて大幅なカスタマイズが必要で、それには膨大な時間と手作業を要するプロジェクトになることが判明したのです。
このようなビジネス課題を認識したオルネックスチームは、B2Bの基幹業務とは別に、B2C専用のERPソリューションを模索することにしました。その結果、候補として浮かび上がったのが Odoo でした。2019年、オルネックスチームはシドニーで開催されたOdooセミナーに参加し、 そこでOdooパートナーである Port Citiesと出会います。 彼らは、Odooが柔軟でダイナミックなカスタマイズ性を持ち、オルネックスのような複雑な小売・展示会運営も対応可能であることを発見したのです。
ビジネスオペレーションの簡素化
オルネックスが以前使用していた旧POSシステムは、1回の取引処理に数分かかってしまうため、店舗で顧客を逃してしまう問題が発生していました。 そのため、早急に新しいPOSシステムの導入が必要でしたが、スタンドアロン型のPOSシステムを導入すると、既存の業務に遅延や中断が生じるのではないかという懸念もありました。
そんな中、Odooはオルネックスの主要な課題に対応できるソリューションであることが明らかになりました。 プロジェクトマネージャーたちは、Odooが従来のシステムよりも複雑さが少なく、柔軟性が高いと評価し、自社のニーズにより適していると判断しました。その結果、オルネックスは、8つのOdooアプリケーションを導入しました: 購買、製造、品質、在庫、販売、POS、請求、会計です。
オルネックスが掲げた主な目標は以下のとおりです:
Microsoft Dynamics AX(2009)を、追加リソースを最小限に抑えつつ、目的に適したソリューションに置き換えること
特異なB2C事業部門における「サービス提供コスト(Cost-to-Serve)」の最適化
特にPOSにおいて、小売部門の顧客体験の向上
貿易コンプライアンスや配送プラットフォームなど、複数の外部システムとの連携
それに対しオルネックス向けにカスタマイズされたOdooソリューションは以下のとおりです:
1. オーストラリアとニュージーランドにある10の小売店舗向けに、複数会社構成を導入しました。
2. Odoo販売・購買アプリにより、販売プロセスの効率が向上し、仕入先や購買注文の管理にかかる時間を最適化しました。
3. Odoo在庫アプリにより、すべての店舗において効果的な在庫管理を実現しました
4. Odoo製造・品質アプリで、生産部品承認プロセスを管理し、品質管理計画を定義しました。
5. Odoo会計・請求アプリで、請求書や経費を追跡し、短時間でプロフェッショナルな請求書の作成が可能になりました。オーストラリアの規制・財務要件にも準拠しています。
6. Odoo POSアプリのユーザーインターフェースと柔軟性により、POSでの業務時間が大幅に削減され、店舗および在庫の管理が効率化されました。すべての店舗でPOSセッションの高速化が実現しました。
ERPによる最適な業務マッチングの実現
結果として、オルネックスでは、Odooの業務システムを160名が活用しており、製品情報や顧客情報の手動更新を削減、データの整合性を維持、POSでの顧客体験の向上、そしてチーム全体の生産性を向上と多くの恩恵を得ることができています。
同様のERP導入を検討する企業に対し、オルネックスの導入チームは、以下を提言しています:
選定するERPが自社の業務要件に合致しており、再構築の必要がないことを確認すること。
導入をサポートしてくれる、信頼できるERPパートナーを選ぶこと。
業務プロセスの設計・最適化・マネジメントの変化に対して、時間と労力を惜しまず投資する姿勢を持つこと。